モスクワの地で再確認した28年ぶりの友情、そして柔道の活動を通した世界平和!

2008年05月18日 (日曜日)

-左からニコライ・ソロドフィン氏(モスクワ五輪金メダリスト)と柏崎克彦先生(国際武道大学教授) - 28年前に贈った帯を未だにニコライ・ソロドフィン氏が大事に使ってることを知って感激している柏崎先生!-

1980年のモスクワオリンピックに、日本が出場をボイコットしたため参加できなかった“幻のモスクワ五輪”代表の6人【森脇保彦8段(国士舘大教授、同大女子柔道部監督)▽柏崎克彦8段(国際武 道大教授、同大前柔道部部長)▽香月清人8段(大阪府警察本部、同警察柔道部師範)▽藤猪省太8段(天理大教授、同大女子柔道部監督)▽河原月夫8段(愛知県 警本部)】と、本法人の山下泰裕理事長が28年ぶりにモスクワを訪れました。

2007年9月、ブラジルのリオで開催された柔道世界選手権で、ロシア柔道連盟副会長で教育担当、そしてプーチン首相の柔道の師であるラフリン氏から山下理事長に以下のような依頼がありました。
『今、ロシアでは日本で生まれた柔道から教育的な要素が失われつつある。若いロシアの柔道コーチたちに、是非、教材DVDを作成し、教育的価値のある柔道をロシアに広く普及したい』ラフリン氏の熱い思いに山下理事長は感動し、時機を見て訪露する考えでした。ところが時期同じくして、柏崎克彦先生がモスクワ五輪の柔道代表だった5人に“モスクワの地を訪れ、当時のチャンピオンたちと交流し、改めてスポーツと平和を考えよう!”と勧誘したのでした。

この流れから、2つの思いが合致し、ロシア柔道連盟の招待と、ワシリー・シェスタコフ国会議員、そして在ロシア日本大使館のご協力で今回の柔道を通したモスクワ訪問が実現しました。以下、モスクワでの交流を報告させていただきます。

モスクワに到着したのは夕方でした。その後ロシア柔連主催の歓迎会があり、そこに、かつてのロシアチャンピオン、アーラムビ・エミジ氏(モスクワ五輪3位)がはるかマイコープから訪ねてきてくれました。香月清人先生が持参した当時の写真を見ながら、懐かしい気持ちと再会できた喜びで夕食会は大変盛り上がりました。

モスクワに到着してから最初に訪れたのが、ルジニキ・スポーツ宮殿の柔道競技場であったドウルージバ(友情という意味)でした。やはり、先生方が金メダルを目指して競技するはずであった会場を、一人ひとり違った思いで訪れたと思います。そこにもかつてのライバルだったチャンピオンたち、セルゲイ・ノビコフ氏、ウラジミール・ネフゾロフ氏、ハビル・ビクタシェフ氏、アーラムビ・エミジ氏、ニコライ・ソロドヒン氏、ワシル・ワラエフ氏・ウラジミール・シカロフ氏が駆けつけてくれました。

その後、1970年に創立された「サンボ70」という学校の柔道場で、ロシア各地から集まった約100名のコーチたちに、6人そろって柔道セミナーを開催しました。先生方の得意技を丁寧に、時間をかけて披露していただきました。 

同時に各先生の得意技の収録が行なわれました。後日DVDを製作し、柔道普及を目的にロシア各地に配布される予定です。

また、この日は藤猪省太先生の誕生日で、ロシア柔連からサプライズのプレゼントが用意されていました。夜は突然のご招待でしたが、プーチン首相から夕食のお招きがあり、大変名誉なお誘いに先生方にとっては大変思い出深い夕食会になりました。北京のオリンピック柔道競技の話題で盛り上がりました。

午前は昨日に引き続き、柔道セミナーを行ない、さまざまな意見交換をしながら交流をしました。午後は、会場を第1422教育センター(モスクワ市内の小学校)に移し、山下理事長の講演会を開催し、改めてスポーツ(柔道)を通した平和を参加者全員で考えました。

第1422教育センターでは通常の授業に柔道の教科を取り入れており、柔道を通した日本文化の紹介もされていました。

帰国前、シェスタコフ国会議員のサポートで記者会見があり、全員で参加しました。今回の訪露にはたくさんのメディアからの注目もあり、記者会見も大変注目されました。記者からチベット関連の質問で、山下理事長は「人権迫害をマスコミなどが批判するのは当然だが、ボイコットで若い選手の夢を摘むことは、断じてあってはならない」と訴えました。


今回参加された先生方(山下理事長以外)は最初で最後となったモスクワオリンピックに出場できなかった無念の気持ちや、さまざまな思いで、この28年間を過ごされてきたと思います。しかし、今回モスクワの地を踏むことができ、ルジニキ・スポーツ宮殿の畳の上で対戦するはずだった旧友たちと交流ができた喜びで、『吹っ切れた!!』とおっしゃっていました。本人でなければわからない思いだと思います。28年間かかえてこられたこの思いを、先生方の将来の希望や夢につなげていただいたなら、こんなに幸せな事はありません。
これからも山下理事長は、様々な柔道の活動を通して異文化相互理解のための交流、そして世界の平和を考える交流を行っていきたいと考えます。
最後に、今回の訪露でロシア柔道連盟、シェスタコフ国会議員、そして在ロシア日本大使館の方々には本当にお世話になりました。改めて御礼申し上げます。

コメント

山下先生、光本さん、おかえりなさい!

NHK『幻の五輪』見ました!
柔道を通して国境を越え、そして28年の時を超えた友情、
ソロドフィンさんの帯のエピソードには思わず目頭が熱くなりました。

これからもお体に気をつけて頑張って下さい。

ここに写真も名前も出てこない、多くのロシア、日本の方々に支えられて
このプロジェクトは成功したに違いない。
その方々に敬意を表すると共に、心より感謝の気持ちを伝えたい。
バリショイ・スパシーバ!

大変ご苦労様でした
現代の様に混迷の世界情勢に政治的アプローチだけでは無く、勿論、損得のはっきりする経済的取り組み等では難しく、スポーツや文化の様に利害では無い人間の本質で交流出来る関係を大切に繋げて行く事が、正に松前重義初代総長から現総長へ無言のまま受継がれて来た重大な思想であり夢とロマンをもったDNAを引き継ぐ我々の責務では無いだろうか。
これからも頑張って下さい。

大変ご苦労様でした
現代の様に混迷の世界情勢に政治的アプローチだけでは無く、勿論、損得のはっきりする経済的取り組み等では難しく、スポーツや文化の様に利害では無い人間の本質で交流出来る関係を大切に繋げて行く事が、正に松前重義初代総長から現総長へ無言のまま受継がれて来た重大な思想であり夢とロマンをもったDNAを引き継ぐ我々の責務では無いだろうか。
これからも頑張って下さい。