中国便り

2008年04月07日 (月曜日)

img_entry_080407_ahitei.JPG  3月末で中国から帰国された光本健次先生から最後の中国便りが届きました。



 桜の季節になりましたがNPO法人柔道教育ソリダリティー会員の皆様、お元気でしょうか。昨夏(8月)より中国柔道男子代表コーチを務めてきましたが、東海大学特別研究休暇(6ヶ月)を終え、2008年3月末でその任務から離れることになりました。夏休みを入れると8ヶ月ほど中国に滞在したことになります。オリンピック、世界選手権で何人もの優勝者を生んできた女子とは違い、男子にはオリンピックのメダルがありません。そこには指導者や選手の勝負に対する意識の低さがあり、体力や技能などはさほど変わらないと考え、メンタル面の強化と選手のモチベーションをいかに上げていくかを指導の課題として取り組みました。短い期間ではありましたが、確実に力はついてきたと思っています。中国男子柔道の今誇れるものは、24時間打ち込める豊富な練習量しかありません。自国開催のオリンピックで男子柔道悲願のメダル獲得には、「闘う強い気持ち」と「意識改革」が備われば五輪のメダルも可能性はあると信じています。短いようで長くも感じた中国での生活は、日本では味わうことができない貴重な体験をさせて頂きました。本当のところ指導者ですから北京五輪まで見届けたかったことはありますが、私が基礎をつくった強化方法を継続して、中国男子柔道が悲願達成を実現してくれることを日本から祈っていたいと思います。   
さて私の中国便りも最後になりますが、今回はすでにホームページでも紹介がありましたWang Hao(ワンハー)選手のことについて触れてみたいと思います。中国の国土は広いので有望な若手選手がいます。しかし残念ながら、その有望な若手選手を育てあげる指導者や環境がまだ整っていないのが現状です。彼の年齢は16歳、193cm、138kgと体力的にも恵まれ、身体能力も非常に高い選手です。日本だとこの4月から高校2年生になります。彼はまだ国家の選手ではなく、試合経験もありません。当然外国へ出たのも初めての経験で柔道歴も2年程です。彼の優れた身体能力はベンチプレス230kgを挙げ、短距離も非常に速く、体の柔軟性もあります。また身体能力が高いだけではなく、技のセンスやバランスなどが良く、練習環境さえ整えば将来大器になる選手だと確信できます。私自身長い指導経験の中で、このように恵まれた才能を持ち備えた選手に今まで出会ったことはありません。将来が期待できる選手として楽しみにしています。日本滞在中は私の自宅で過ごし、白鳳大学足利高等学校、作新高等学校、修徳高等学校、京華高等学校、日本体育大学、東海大学などで練習させていただきました。

img_entry_080407_tokai.JPG【東海大学の道場での練習風景】

 春の全国高校選手権大会では、実際に練習した選手が活躍していたので、大変興味を持って観戦していたようです。大会が終わった翌日、東海大学主催の第33回松前杯柔道大会に100kg超級に参加させていただき、日本の高校生を寄せつけず圧勝し優勝しました。優勝記念で頂いたメダルを、その夜は嬉しそうに寝るまで首にかけていた姿が忘れられません。初めての経験で本当に嬉しかったのでしょう、日本の高校生には見られない新鮮さを感じました。約1ヶ月ではありましたが、中国では体験できない貴重な時間を過ごし、帰国の途に着きました。

img_entry_080407_kinen.JPG【佐藤宣践先生と道場で】

 NPO法人柔道教育ソリダリティーが北京オリンピック男子柔道の支援活動にとどまらず、将来日中友好の架け橋となる若手選手育成のためにもご尽力頂いたことに深く感謝しています。
北京オリンピックはもうすぐです。中国での滞在は、私なりに十分指導者として燃焼させていただきました。言葉は通じなくても、中国コーチ、選手たちに私の考え方もだいぶ浸透したと思っています。
最後にNPO法人柔道教育ソリダリティー事務局の皆様には大変お世話いただき感謝申し上げたいと思います。


コメント

先日の日本武道館ではお声をかけていただき、ありがとうございます。
先生の記事全部読みました。mixiでこのサイトをデンマークの皆さんにも紹介しておきます。
我等が康生は残念ながら出場できませんでしたが、オリンピックで中国の選手を応援するという楽しみができました。

これからもお体に気をつけて頑張って下さい。

光本先生、8ヵ月間本当にお疲れ様でした。
いつも中国便りを楽しみにしておりました。
北京オリンピックまであと残すところ115日。
日中の両選手が素晴らしい試合を見せてくれることを期待してやみません。

光本先生

お疲れ様でした。
現在、中国を取り巻く国際情勢は決して楽観できるものではありません。
各国もそれぞれの思惑ばかりで行動するのではなく、
また、訴え方も聖火を揺らすのではなく、
光本先生のように中国の道着に着替えるくらいの決意と愛情、気迫を持って
接すれば Win-Winのよい方向に進むのではないでしょうか?

光本先生
ご指導ご苦労様でした。ラオスのすぐ隣の雲南省で合宿されていたので、激励に行きたかったのですが、ビザの関係で叶わず残念に思っていました。
Wang Hao選手楽しみですね!今後とも注目し、活躍を祈念致します。
いま、ラオスにもセンスの良い子が、男子と女子にそれぞれ一人づついますが、まだ11歳と15歳なので、もう少し時間が掛かります。
でも、それだけ育てる楽しみも長くあります。
そのうちに、貴大学・高校でも鍛えて頂きたいと思っていますので、
宜しくお願いします。

光本先生、お帰りなさい!
中国男子チームのご指導、大変ご苦労さまでした。
オリンピックまで見届けたかったとのお気持ち、ほんとうによく分かります。しかし、光本先生が強化の柱とした「闘う強い気持ち」と「意識改革」は、選手たちにかなり浸透しているものと思います。昨年の世界選手権と埼玉大学での練習試合を見て、そのことを強く感じました。
地元開催のオリンピックまで、あと4ヶ月。これまで熱心にご指導された光本先生の熱意とご苦労が、その日が近づくにつれて選手たちの気持ちの高まりとともに、きっと良いかたちとなって本番で実を結ぶものと、私は中国選手の活躍を今から楽しみにしています。
光本先生、ほんとうにお疲れさまでした。