2007年11月27日(火)第3回講演会が開催されました

2007年12月01日 (土曜日)

 第3回となる今回の講演会は、「柔道のこころと日中交流」-嘉納治五郎の思想と行動に学ぶ-と題し、大手前大学厳安生教授をお招ねきし「清末日本留学生の教育と嘉納治五郎」について講演をしていただきました。

 【挨拶を行う橋本敏明副理事長】

 司会進行役の橋本敏明副理事長より『2007年は日中国交正常化35周年ということで、日中文化スポーツ交流年が両国で色々と実施されています。当法人もこの2007「日中文化・スポーツ交流年」の事業認定を受け、柔道のこころと日中交流を開催します。日中関係交流は、ホットな経済関係と冷めた政治関係言われておりますが、日本企業におかれましては、中国において社会貢献活動を草の根的交流型で推進されていると聞いております。この講演会は、トヨタ自動車(株)、新日本製鐵(株)、(株)日立製作所より協賛支援をいただき開催することが出来ました。また、外務省、(財)講道館、(社)日中協会、朝日新聞社より後援を賜っております。
 
 このことは経済分野に続きまして、文化分野、とりわけスポーツ「武道」の分野においても力強い友好関係を構築して欲しいというメッセージと受け止めております。
 講道館柔道創始者の嘉納治五郎師範は、日清戦争後、日中の留学生教育の種をまかれました。本日は、嘉納師範の思想と行動に着目し、日中交流を語っていただきます」と挨拶がありました。

 【聴講者は100名以上となりました】

 厳安生教授は、日中国交正常化直後の悪化する日中関係の中で、日本のTVドラマである「姿三四郎」が大ブームとなったのをきっかけに、「国際交流においては、文化交流上の誤解や無知が問題を生む」「本当の交流とは何か?」を考え、歴史や文化の研究に取り組むことになったと話されました。


 【当時中国で大ブームとなった「姿三四郎」の歌を歌って下さいました】

 嘉納師範が「清国学生のために日語および普通教育を教授して、人材育成にあたる」という理念の下に設立した「宏文学院」が7年間の間に7192名の留学生を受け入れた事実を紹介し、この宏文書院の教育方法において、「三育(徳育、知育とともに体育を重要な教育)」を主張し、この「三育」を成り立たせた嘉納師範の精神が、現在でも中国の教育に、大きな影響を与えていることを嘉納師範と留学生との交流エピソードを交え話されました。
 しかしながら、清国政府の留学政策変更や米国の反日本留学キャンペーン等の歴史的背景から嘉納師範の功績は、歴史の表に出ることが少なくなって行った状況を話されました。

 【中国支援を始めた経緯を話す山下理事長】

 山下泰裕理事長は、「柔道を通した日中交流に思う-自他共栄の理想を求めて」について話しました。
 2004年6月に中国柔道連盟より中国男子柔道チームの支援要請を受けた話をし、奥田碩顧問(トヨタ自動車取締役相談役)との出会いや、日本企業からの支援協力を受けて中国男子柔道チームの支援を開始した経過について話しました。
 また講演会の2日前(11月25日)に開館した日中友好青島柔道館について、今までの経過を話しました。「多くの国際支援は、資金援助が終了したら完了となるが、柔道教育ソリダリティーは、これからがスタートである。柔道館への学生ボランティア派遣、現地日本人会子供たちとの交流、道場を利用した日本文化の発信、そして日本の柔道塾との交流を行っていきたい。中国と日本は2000年以上の長い歴史的交流がある。近くて遠い国ではなく、近くて信頼しあえる国になるように努力していきたい。この活動は多くの柔道教育ソリダリティーの協力者の方々に支えられて成り立っている感謝の意を表したい」と講演会を締めくくりました。