「姿三四郎」英語版出版に向け、山下理事長が協力
2007年09月27日 (木曜日)
当法人では、全伯講道館柔道有段者会が手がけた「姿三四郎」のポルトガル語版を基礎にして、英語版の出版事業を展開していく予定です。
この話し合いの様子は、ブラジルのサンパウロ新聞(日本語)に掲載されました。
>>サンパウロ新聞2006年9月16日
「姿三四郎」ポルトガル語版には、山下泰裕理事長の推薦文が掲載される予定です。
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◆◇「姿三四郎」ポルトガル語版 山下理事長 推薦文◇◆
冨田常雄の「姿三四郎」は、柔道を志す若者に夢と希望を与える小説といってよいだろう。日本では、原作が映画化され、老若男女、多くの人々を魅了し、やがて「三四郎」の名は「柔道」の代名詞となった。私もまた、三四郎のような柔道家になりたいと夢見て練習に励んだ一人である。
なぜ「姿三四郎」は日本人の心をかくも捉えたのだろうか。その秘密は、三四郎の生き方、つまり人生に対する真面目さにあると、私は思う。この小説の時代的背景は、日本の社会が西洋文明を受容して大きく変化した明治時代である。武家による封建的支配から近代的統一国家へと社会システムが大転換する中にあって、三四郎は、その柔道修行を通して変えてはならない精神の重要性を示した。それは、正義、愛情、信頼などの、人間が人間らしく生きるために欠かせない要素で、武士道の徳目でもある。
「姿三四郎」は、私たちに「真の強さとは何か」を問いかけている。生死を賭する武術は相手に勝つことで成り立つ。その勝利を得るには、技術と同時に自分自身の内なる欲望をコントロールしなければならない。勝利に向けて心技体を修練する過程で、やがて私たちは、勝敗の本当の意味、真の強さについて深く考えるようになり、人としての道を極める武道の核心に触れる。換言すれば、社会における人間のあり方を認識する。
講道館柔道創始者・嘉納治五郎師範は、柔道修行の最終目標を「自他共栄」の言葉で示された。私たちは、この理想に向けて真の強さを発揮しなければならない。三四郎が様々な勝負を通して見出していく道は、この理想につながっていると思う。
柔道を愛する心、真の強さを求める気持ちに国境はない。私は、日本人の心を捉えたように、本書が国境を超えて多くの人々の心を捉えると信じている。世界のあちらこちらで現代の「三四郎」が生まれることを夢見て、本書を推薦する。
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